七月初旬は、教員にとって恐ろしいほど忙しい時期である。日々の授業と並行して行われる成績処理や、通知表の所見欄、私費会計の締め処理など、みんな頭から湯気を立てて働いている。
主任は今年度からうちの職場に来たばかりで、慣れないこともあったかと思う。私はなるべく彼女の負担が掛からないようにと、学年の仕事の大半を引き受け、彼女がなるべく早く帰れるようにと心掛けてきた。
いなくなる前日の放課後、主任は少し苦しそうな顔つきで職員室に入ってきた。私は黙々と仕事をこなすばかりでろくに会話もしなかったと思う。午後5時半、スッと職員室を出たことに気付いた。私は「いつもより少し早いな。」と思った位で、気にせず仕事に戻った。そして、主任は学校から出てすぐに病院に向かい、メンタル面の診断書を書いてもらったと、後に校長から聞いた。
私は彼女の判断は正しかったと思うし、病気が早く良くなって欲しいとも思っている。でも、残された教え子の授業は?成績処理は?その他の事務仕事は誰がやる?私だ。主任が相談する雰囲気も作らせず、信頼関係も築くことなく、無自覚に孤立させていたのも私だ。
たらればが頭の中で反芻するも、消化されることはない。今の私にできることは、味のしなくなったガムを噛み続け、明日の授業準備をすることだけなのだ。
人員補給がされないって、太平洋戦争みたいですよね。。手を抜けないのが先生の大変なところですね。
子どもたちの教育と権利のために、先生方には頑張って欲しい。