なんで俺は何者でもないんだ
東京ってなんだ
俺は出てきたただの田舎者
すげえ奴らの真似事をしてはみるけれど
そいつらの眩しさに焼け焦がれて
身の丈に合わないとはわかっちゃいつつも
身の丈に合わない自分を追い求めて
俺は何だ俺は何だ俺は何だ
後悔しない生き方をしようと決意をしたが
いつも己の愚かさに一人悔し涙を流す
訳知り顔に人生を語る
やめてくれ
俺は全然まっすぐな奴じゃない。面白い奴でもない。取り柄も何もない。全部口先だけの嘘だ。君が見ているのは全部幻想だ。そんな俺を好きにならないでくれ。俺を嫌わないでくれ。俺に憧れないでくれ。
俺は飲み会の帰りの道中東京の汚ねえ空に燻って輝くシリウスを見て、その美しさと穢らわしさが混在した空に人間と同じものを感じて咽び泣くような弱い奴だ。
「いつまでこんなことしてるの?何かを成し遂げるためにここに来たんじゃないの?俺は何をするためにここにいるの?」
言葉は頭の奥底に閉じ込めた。
悔しさはアルコールで閉じ込めた
俺のすべてが無に帰す。もういいんだ。何も考えなくても、悩まなくても。