対中ODAの話になると、相変わらず実際を知らない人が多いようなので、まとめておく。
(1)ODAの中心になっているのは円借款(つまり金貸し)である。
円借款は約33,000億円(約86.1%)
技術協力は約3,800億円(約9.8%)
これらは、敗戦に対する賠償の趣旨で実施されており、1,500億円というのが国家に対する賠償の相場として異常に高額というわけでもない。
(2)中国はそれを利子付きで返済している。
https://www.excite.co.jp/News/chn_soc/20170929/Recordchina_20170929027.html
そして、「借金」であったとしても、もちろん感謝されており、円借款に関してはWin-Winだと言える。
以上を踏まえれば、「経済発展した中国にODAを払う必要があるのか」とあおっていた一部メディア(はっきり言うが産経などhttps://www.sankei.com/west/news/140505/wst1405050057-n1.html)の主張の筋のおかしさが見えてくるだろうし、ODA終了とともに問題となる一番のポイントは、これまで築いてきたODAに代わる新しい中国との関係構築であることは明白である。今後、「開発協力対話」を立ち上げてそれを維持しようという話なら、一応期待できる内容なので、今回のニュースはまあよいニュースと捉えることができるだろうが、それは産経など一部メディアが言う意味でではない。むしろ、ああやってあおり立てる報道で新聞を売り、儲けるというその姿勢は、とりあえず新しい日中関係の構築にとって百害あって一利無い態度であることは間違いない。
誤字あるよ!