今朝の話。
クロスバイクという街乗りに向いてる少し速いチャリが毎日の相棒だ。
苛立つ車の往来の中で生き残るためにはバックミラーは必須で、ハンドルの端に刺さるようなミラーをつけている。
ぶつかっても危なくないようにか、ちょっとした衝撃でくるりと曲がるミラーは、駐輪場から出してくると大抵そっぽを向いていた。
それを乗り始めてから直すのだけど、覗き込んだときにちょうど真上を向いていた小さなミラーに映された空の青さにはっとなった。
向かう先の空はどんよりとした雲が多いけど、私の頭上だけすっかりと晴れているようだった。
いつもの角度に戻そうとする手を止め、今日はそのまま空を見ながら走るのも悪くないかなと思った。
意地悪な車に幅寄せされても、要塞みたいな電動ママチャリが逆走してきても、ちょっとミラーを見るだけで心が和んだ。
でもそれがよくなかった。
少し空に見とれていた瞬間に、縁石に斜めに乗り上げてバランスを崩して電信柱に激突。
そのまま歩道で仰向けに倒れ込むと、視界にはこれでもかというほど青い空が飛び込んできた。
なんだ。はじめからこうすればよかったのか。
痛みで涙が溢れたけど、あまりにも当たり前な方法を見落としていた自分が可笑しくて大声で笑った。
要塞みたいな電動ママチャリから怪訝そうな顔をした主婦が覗き込もうとしたが、笑っているわたしに気づくと早々に走り去っていった。
今は河川敷に寝そべりながらこれを書いている。