2018-06-14

満員電車で見る景色

どれだけの人が満員電車に苦しめられているのかと思う。

会社ではきっとすれ違うだけで会釈をするような人たちが、電車の中では言葉も交わさずぎゅうぎゅうになって耐えている。

それだけ密度の高い空間なのだから、もちろん空気も薄い。何人もが吸って吐いた息をさらに吸う。そんな人間排気ガスで体が満たされるなんて、体にいいわけがない。

この現実から逃れたい。でも目の前には文庫本を取り出すスペースすらない。そうなると自由なのは頭の中だけだ。必死に何か美しいもの想像する。ここではないどこか美しいところ。山と海と・・・

私は自然が美しい土地暮らしたことがない。だから憧れがある。

イメージするのは、いつも旅先で出会った景色テレビで見た映像だ。

さあっと視界の開けた平地の奥に構える山。明るい青の海と、それに反射する光。こういうものが、日常にある生活は、どういったものなのだろう。そういう所で育った人は、都会をどう生きるのだろう。

ふと頭に浮かぶ故郷自然が、鮮明だといいなと思う。

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