女は男の経済力に依存して生きざるを得ないことに直面する。同時に子供が欲しいと思ったら、子供を作るにも男が必要(生殖細胞的な意味で)。そして女から男に主体的にアプローチすることがはしたない事だとされている男社会では、男が女を主導することが求められる。童貞の存在は、男社会の規範そのものを揺るがしかねないものになっているのだ。だからこそ、女性だけではなく強者男性さえも童貞を批判し続ける。童貞いじりで男達に責任感を自覚させつつ追い詰めることによって、男社会の規範が維持されている側面もある。
このように考えてみると、今の男女間問題の要素全てが童貞問題に宿っていないか。男性の草食化と女性の肉食化。イケメン童貞は許すという容姿差別。女性の社会進出と女の上方婚問題。いじられる童貞と、いじられないブス処女の対比。男に過度の責任が集中している問題。
童貞問題を解決するためには、答えは一つしかない。今以上に女性の社会進出を推し進め、男社会そのものを壊すしかないのだ。女たちは、童貞こそ自分たちの味方につけるくらいの度量を持ち合わせなければならないだろう。自分たちが社会的強者になるとは、そういうことである。