中学3年の夏。受験を控えていたが、両親は毎日喧嘩(後に離婚)ばかり。更に母親と姉もそりが合わず喧嘩ばかり。
私はそんな怒声が飛び散る家の中で受験勉強をしていたが、ストレスは溜まる一方だった。でもグレる勇気も無かったので、
むしゃくしゃとした気持ちを晴らすことも出来なかった。
私は受話を取り適当に番号を押した(あの時ウワァァァって叫んだ自分のことはよく覚えている。恥ずかしい)。
電話がかかり「もしもし」と女性が出たので「バーカ!」と叫んで切ろうとしたが、
「そんなことして何の意味があるんだろう」とふと思った瞬間涙がポロポロとこぼれ落ちてエグエグ泣き始めてしまった。
「もしもーし!どなたー!泣いてるのー?」
受話器の向こうで女性の声が聞こえたので、私は洗いざらい今の自分のことを一方的に話した。
「うんうん」と女性は聞いてくれた。
お互いにoasisが好きだということがわかり、しかも住んでいる場所が近いということで会うことになった。
待ち合わせ場所に着いた時、「俺、何してるんだろ」と一人でクスクス笑って、
隣にいたおばあさんが凄いあやしげな顔つきでこちらを見ていたのが懐かしい。
そして待ち合わせ場所に現れたのは、
金髪ショートカットでoasisのティシャツにデニムのミニスカートを着た凄い年上の女性(と当時は思っていたが、5歳上で19歳だった)
が現れて声が出る位に驚いた。