地下鉄の中でとなりの風俗嬢的なおばさんが吐きそうになっていた。すごくニンニクの匂いがした。見た感じ50歳はいってそうで、髪は茶髪で白く細く痩せた腕は青白い血管が透けていた。
難波で降りると構内で若いヤングが一方的にもう1人のヤングをボコボコに殴っていた。おまえなめてんなよ、ぶっ殺すぞこら、なめんなよ!
関西弁とはちょっと違うけど手の速さは関西のノリだ。3人目のヤングが「まあまあそのへんで勘弁しといたりや、ちぃ出てきてるしもぉええやん」ってなだめていた。
梅田では父、母、息子的な3人が別れの挨拶をしていた。息子は30代くらいだろうか。やや中年太りが目につく青年で、背中に大きなリュックを背負って泣きながら両親とおぼしき2人に語りかけていた。「今までできなかったことがこれでできるようになるわけではないと思います、でもこれでもう一つ大きくなってチャンスを絶対に生かせるように・・・」と語っていた。立ち止まって聞くわけにもいかず、話がどうなったのかは分からない。
梅田のサウナでは受付嬢がつまらなそうに料金の説明をして僕にロッカーキーを渡してくれた。
半ズボンでBILLIE IDLE®のTシャツを着て黒いリュックと薄汚れた紙袋を持った白髪混じりの45歳の俺を受付嬢はどう見たんだろうか。
世の中はいろんな人生が隣り合わせ、背中合わせに混じり合いやがて時が過ぎていく。
たまには誰かの人生と混ざりたいと思う。
良い文章でした。もう少し自分語りが多いと良いと思いました。