誰の気兼ねもなく食べたいものを食べて、行きたい場所に行き、道を間違えても自分のせいだから逆に楽しめる。急な予定変更も自分一人だから納得できる。
昔から誰かに気を使うのがうまくできなくて、おそらくそれで気づかないうちに嫌われてしまうのだろう。喋るのがうまくないから、何を言っていいかわからない。ジョークのつもりが変な言葉になる。
それで二度ほどトラウマ級の別れを経験した。一度めはあいつらも悪いと思えたけれど、二度もあったらもう充分。おかしいのはこっちだと気づいた。三度めはもう経験したくない。
その時から、誰かと深く仲良くなることはなくなった。深く仲良くなってもまた嫌われると思ったら怖い。
なので誰かと出かける時は家族とだが、その時もあそこに行きたかったのに、あれを食べたかったのに、と我慢を重ねている自分がいるのがわかる。
一人が楽だ、と心から思うようになった。もちろん寂しくないかと問われたら寂しいが、ぽつぽつこうしてネットで言葉を流していれば満足する。誰かの言葉を読めば楽しい。口ではうまく言えないことも、書けばいいのだと気づけて良かった。
動物がいてくれればもう言うことはないと思う。両親を看取ったら、兄弟が手の届かない土地に消えようと思う。家族すら重い時がある。葬儀も何もかも一人で済ませたいと願うけれどどこまでやれるかはわからない。負担にならないようお金は残しておくつもりだ。
一人で車を飛ばしたり、高速バスに乗ったり、新幹線に乗ったり。知らない場所で、自分が満足する時間を過ごすのは楽しい。飛行機はまだない。けれど大丈夫じゃないかな。