単純に「一番好きな作家」と言っても、誰彼構わず同じ作家は勧めづらい。
「こんな春の夕暮れに、人に勧めたい作品と作家」と言われたら、星新一「午後の恐竜」かな。
最近では人工知能に星風の作品を…とかの動きもあるけど、ブラッドベリ「火星年代記」に衝撃を受けて作家を目指した星新一のもつ、そぎ落とされた中にわずかに漂う叙情性を読み取って、再現できるレベルまでいくにはまだまだ時間がかかるだろうな。
単なるどんでん返しとか意表をつく小話、じゃない。そこに漂う、そこはかとないミステリ風味、ユーモア風味、ブラックな恐怖感、詩情。星の作品には色々なものが詰まってる。中学生の頃、初めてハマって、そのちょっと斜に構えたスタイルに多大な影響を受けたと思う。星新一がいなかったら、日本の文学は今より少し詰まらなかった。そういう偉大な存在だと思ってる。
短編を何から読みはじめてもいいと思うけど、「星新一ってショートショートの人でしょ。知ってる」という中級者には、あえて「声の網」とか勧めたい。ショートショートの連作による中編。一冊まるごとで一つの話。意外と長いものを書かせても、星という人は面白い。もっともっと長編を書いて欲しかったなあと、今となっては思う。
というわけで、お薦め。
みんなの最も好きな作家の、話しを聞きたい。 その作家のどんな作品に衝撃を受けたのか、人に勧めるなら最初はどの作品なのか、など。 本当に一人だけ、一番好きな作家の話を聞かせ...
単純に「一番好きな作家」と言っても、誰彼構わず同じ作家は勧めづらい。 「こんな春の夕暮れに、人に勧めたい作品と作家」と言われたら、星新一「午後の恐竜」かな。 最近では人工...
気持ちの悪いすすめかたをするな
増田作家のなかで選ぶなら、むきゅーの人かな。 個人的に応援している。