http://p-shirokuma.hatenadiary.com/entry/20160212/1455256800
90年代にオタクコンテンツからいわゆるファンタジーが消えた、というのが異世界転生ファンタジーブームの遠因の一つになっている気がする。
そもそも80年代後半から90年代にかけてファンタジーブームだっただけという説もあるらしいが、その後にわざわざハイ・ファンタジーなのかロー・ファンタジーなのかよくわからない、
現実世界から異世界へ移動するファンタジーが勃興した背景には、「自分ではない別の人物・別の世界」への志向から、自己投影しやすい物語に需要が変わったからではないかと思う。
「現実世界と接点がある」という強みだったものが、最近は逆にうざくなってきたんじゃないだろうか。ルイズが現実世界にやってくる描写には首をひねりたくなるし、
オーバーロードは大変物悲しい。自己を消すという点では百合ブームもあったが現実の高校が描かれている。現役中高生やおっさんが羨む理想の青春がよくわからなくなってきたとしても、
細部までみっちり作りこんだ大きな妄想世界(ハイ・ファンタジー?)というのは現代では制作も消費も難しい気がする。そうしてみると自己を残して現実と接点のない(現実を生きたという過去の接点のみを残して)異世界に行く、
というのはよくできていて流行るのもわかる気がする。浄土系が現実を体系に組み込み「浄土は死後だが救いは今生」と諭して現実に送り返すのに比べると、異様な感じはするが。
Bleachとかうたわれるものみたいな、 転生があることを示しながらも基本は移動しているだけだったり、 同一世界でありながら膨大な時間軸のために時代が完全に分断されているような作...