お姉ちゃんの友達が遊びに来るから、部屋で大人しくしてなさいって。どうやら、その友達が僕のことを怖がっているらしい。
ほんとに失礼な話だと思う。
確かに僕は生まれてから一度も働いたことはないし、この先、働くつもりもない。お姉ちゃんとは違って、学校にちゃんと通ったこともない。人が言っていることを理解するのにすごく時間がかかるし、うまくおしゃべりすることは出来ない。相手との距離の取り方を間違えてびっくりさせてしまって、かわりにお母さんに謝らせてしまうこともたびたびある。
でも、僕はこれまで人にケガをさせたことは一度もない。ほとんどの人は、笑顔で僕のことを許してくれる。僕はずっと、誰にも迷惑をかけずにのんびりと暮らしている。
朝起きたらご飯をたべて、お父さんとお姉ちゃんをお見送り。しばらくゴロゴロしたあと、お散歩に出かけて、帰ってきたらお昼寝。目が覚めたらまたゴロゴロして、お姉ちゃんとお父さんが帰ってくるのをお出迎え。夕ご飯をたべて、良い頃合いになったらまた眠りにつく。
こういうのんびりした生活はとても幸せだけど、でもやっぱり少しだけ退屈だ。せっかくお客さんが来たのだから、あいさつくらいはしておきたい。
そう思って僕は、こっそりと部屋をでて階段を降り、リビングに忍びこんだんだ。リビングでは、お姉ちゃんと、その友達の女の子がイスに座っておしゃべりをしていた。女の子は、足にとてもすてきな黒い布をつけていて、僕はその匂いを嗅がずにはいられなかった。
その先のことは、あまりよく覚えていない。ただ、匂いを嗅ぐだけでは当然我慢できなくて、ペロペロと舐め回したこと、それからスカートの中に顔を突っ込んで股間の匂いを嗅ごうとしたことは確かだ。
結局、お姉ちゃんにはこっぴどく怒られたし、女の子はちょっと泣かせてしまった。何よりもつらいのが、怒ったお母さんに晩御飯抜きにされてしまったこと。
おかげで、お腹が空いて昨日はよく眠れなかった。
怖がってるのに来る低能女が悪い