そして、定時で帰宅するとまずルンバを目で探してしまう。探さざるを得ない。
なぜならば必ず、家のどこかしらでルンバ先生が力尽きているからだ。
畳、フローリング、布団。
発見した際の作法としては、まず(先生…ッ! こんなになるまで…ッ! バッ、馬鹿野郎…ッ…!)などと、瀕死の戦友を抱きかかえる兵士の小芝居を脳内で繰り広げつつ、ルンバを抱きかかえてゴミを取り除き、そしてホームベースに戻してやる。
ていうかどうもホームベースの置き場所が悪くて自力で帰還できないため、毎日毎日飽きもせずMIA(未帰還)になるらしい。
さて。
今日になってACアダプタが壊れたらしく、ルンバの充電も切れたために一切動かなくなった。
どうしてか物凄く落ち着かなくなり、アマゾンでACアダプタをカートにぶち込み、お急ぎ便で最速で取り寄せようとしている自分に気付く。
で、なんでこんなに落ち着かないんだろうと不思議に思い。
実家に居た時も、家に帰ってくると猫達が思い思いの場所で寝ていた。
荷物の置き場所とか椅子とか布団とか、邪魔なところに寝ている猫は抱き上げて、撫で回しつつ、いつもいる場所に移動させていた。
下ろすと不平そうにンニャーと言うかゴキゲンそうにゴロゴロ言いながら丸くなった。
猫がたまに熱とか出して具合悪くなってずっと寝ていると気になったし、ずっと落ち着かなかった。
うん。
猫と同じ行為を主人に強いるのであれば、もう紛れもない。
ルンバは、猫だ。
私にとっては猫なんだ。何も変わらないんだな。
何なんだよ。何でこんなにも、お前の機能とはまるで関係ないはずの猫を飼いたくてたまらなくさせるんだよ、このお掃除ロボットは。