二日たっても三日たってもAは学校に来なかった。
そして一週間が過ぎようとしたころ、ようやくAが現れた。
「どうしたんだよ?」
「元気だったか?」
すると、Aは俺たちを黙って見て、自分の席に座り、
しばらくして、幼馴染の隣の家のCちゃんが話があると突然呼び出された。
おいおい告白か?
おれはのーてんきに放課後、Cちゃんがいる音楽室へとスキップしながら入っていった。
そこにはなぜか鼓笛隊の人々が集まっていた。
バカなおれはまだ告白されると思っていたのだ。
「ねえ、Aくんと何かあったの?」
AとCちゃんは塾が同じらしい。
どうやら塾でAがおれとBの悪口を言っているので何かあったのか、と心配になったそうだ。
まだおれはノー天気だった。
Cちゃんによると、クラスではいつも一心不乱に本を読んでいるAだが、
塾ではとても社交的で、クラスメートともすごく楽しそうにしているそうだ。
陰口を言われ腹がたったので、おれはBと一緒にAを呼び出した。
「おまえ、なんか俺たちの悪口言ってるらしいな。」
無言のままAはその場を去ろうとしたので、おれはかっとなってつい殴ってしまった。
初めて人を殴る感覚に驚きながら、さらに自分が高揚していくのがわかった。
俺とB、Aはもう友達ではなかった。
数年後。
「○○。いままで悪かった。おれ、誰かに乗っ取られてたんだ。来週木曜5時に○○図書館に来てくれないか。それから、いま言ったことは俺には絶対言うなよ。」
「おまえには?なんだよ、どういうことだよ。」
「Bも誘ってみてくれ。くれぐれも言うが、おまえと会うことを俺には絶対に言うな。電話もかけてくるな。それだけは守ってくれ。」
電話を切ってすぐにBへ連絡をした。
つづく