「ねえどこが好き?」なんて面倒くさい質問女性の専売特許じゃなかったのか、ああ面倒くさい。
いや、だからって嫌いになったり冷めたりしないけど、面倒くさい。そりゃあその気になれば、YUKIみたいに、そこらへんのバカップルみたいに私があなたを好きな理由100個くらい正座してちゃんと言えるけど、そんな不安がって、言った端から否定しそうな空気で聞かれても言う気になれないって。っていうかそういえば何年か前に聞かれて答えたときは「でももっと○○な人はいくらでもいる」とか言われてめんどかった。
だいたい恋愛感情だなんて、細分化すれば結局はどうせ、他の人でもいい感情と、彼氏彼女じゃなくたっていい感情と、しがらみとの足しあわせなんだ。
たとえば、よく恋人がいてよかったと思うことなんかで挙げられる、抱き合うことやキスが気持ちいいだとか、辛い時に慰めてくれる人がいて嬉しいだとかは、ぶっちゃけ「恋人」がいればいいのであって、確かに相手があの面倒くさい男である必要はない。
じゃああの面倒くさい男の好きなところは、選んだ理由はって言えば、話していて楽しい。物事への態度が尊敬できる。横顔をこっそり眺めてどきりとするくらいには(私から見て)かっこいい。とか。とかね。
そう言えばあいつは「俺の上位互換なんかいくらでもいる」とか言うわけだ。まあいるだろうさ。いくらでもいるかっていったら怪しいと思うけど、まああいつより面倒くさくない素敵な男性ならいくらでもいるわ。目の前に現れたら、そりゃあ私も好意を抱くだろう。でもそんな人が現れたからってフらないって。そのひとと彼氏彼女って関係にならずにはいられない! とかそんな思わないから。
その理由は単純で、ひとえに過去の実績・経験と積み重ねである。お互い相手の好きなものだとか、喜ぶものを知っている(性的な意味で。いや性的な意味でなくても)。情けない醜い所を見せてしまったけれど受け止めてくれたっていう過去がある。私達が住むこの街のいろんなところに二人で過ごした幸せな思い出がある。…忘れたい思い出もある、が、でも「でも、乗り越えた!」というオチがつく。
だから別れたくないです。はいしがらみです。あと、一緒にいすぎて情が移っているので、可哀想でフれません。
これを正直にいったら問題があると思うので私は「ねえどこが好き?」にはっきり答えないしメンドクセーナーと思っている。