いわゆる「クラスサイズパズル」論争の仕掛け人として、少し補足。
見落とされがちな点であるが、
実際の学級人数が「40人」「35人」ピッタリになるケースは、レアだ。
例えば「2年生人数が71人で、文部科学省の基準だと35人学級」という場合、
71÷35=2.03と割り算して「クラス数=2.03」とはならない。
切り上げ処理で「3クラス」となる。
この場合、実際の人数は71÷3=23.7、つまり23人ないし24人のクラスになってしまうことになる。
そして、この点が最も重要なんだが、
「第二次ベビーブーム時代と比べて、学級当たり人数が減少している今では、
先述のケースで「2012年時点の2年生は71人」の小学校も、
1979年時点では「2年生は141人」だったかもしれない。
1クラスの人数は141÷5=28.2人、28~29人だ。
28~29人のクラスと、23~24人のクラスでは、大分違う。
「1学年に4~5クラスが当たり前」だったため、
言い方を変えると、人数の多さで以て「冗長性を確保」していたのだ。
しかし、少子化が進んで、1学年1クラスとか2クラスとかが珍しくなくなると、
36÷35=1.03、切り上げて2になって、
人数=36÷2=18になってしまう。
少子化によって、このような「予期せざる少人数学級」が、多数出現してしまうのである。
「1学年18人」となると、いわゆる秀才、上位層の厚みも少なくなるだろうし、
競争も起こりづらくなる。
マスコミが「40人学級」「35人学級」と報道した際、我々は第二次ベビーブーム時のイメージで、
「実際の編成は、37人だったり、33人だったりする程度だろ?」と思いがちだが、
学年まるごと少子化現象によって、
「運悪く中途半端な人数だと、22人とか、18人とか、想像以上の少人数クラスが出現しかねない」
実は財務省が用意したペーパー
の10ページに、「20年前と比較した場合の、実際のクラス人数対比グラフ」が存在していて、
「25人以下学級」出現比率が増えていることが明らかになっている。