アイドル業界に詳しくない人は驚くかもしれないが、根っからのアイドルオタクは秋元康が嫌いな人が多い。
なぜか?
まず、秋元康という人は、実は王道を好まない。アイドルにアイドルらしいことをさせるよりも
アイドルにアイドルらしくないことをさせたがる。その方が面白いと思っているのであろう。
おニャン子クラブの「セーラー服を脱がさないで」でSEXのことをズバリ歌詞にしたりするのが良い例で、
根っからのアイドルオタクにとっては、こんなものはアイドルが歌う曲として認めらないのだ。
AKBも初期の頃は、「援助交際」「孤独」「自殺」「いじめ」といったネガティブなテーマな曲が多い。
しかし、こういった異端の曲は王道があって、そのアンチテーゼとして初めて評価されるもので、
当時はアイドル業界が冬の時代で王道が不在だったためまったく売れなかった。
AKBは、その後、王道路線に変更することでブレイクするが、正直、秋元康としては不本意なのだろう。
もう一つ、秋元康は、アイドルは消耗品だというスタンスを貫いている。
AKB自体、芸能界に入るための学校という位置付けにして、アイドルは卒業しないといけないものとしている。
この秋元康のスタンスは現実的に正しい。例えば、AKBの前は、モーニング娘がブームだったが、
当時、モーニング娘のファンだったアイドルオタクたちが今でもモーニング娘を応援しているかと言えば違う。
辻ちゃんなり、加護ちゃんのファンは、彼女たちがアイドルというフォーマットから外れればファンを辞めるのだ。
アイドルオタクは、アイドルを消費して、そのアイドルが消耗したら、また違うアイドルに移るのだ。