2012-03-07

本当に過労状態の人は世の中から切り離されている

ワタミ過労自殺事件関連の話で、まだ指摘されていない論点を含んでいるのでメモる。

 

 過労自殺などの取材を通して知ったことのひとつに、「本当に過労状態の人は世の中から切り離されている」ということがある。仕事忙殺されている人は、たぶん「ホワイトカラーエグゼンプション」も知らなければ、それを舛添が「家族だんらん法」と言い換えようとしたことも知らない。その上、首相安倍から福田に変わったことも知らないなんて人がいても私は驚かない。なぜなら、私自身ほとんどテレビで「首相になってからの動く福田」を目撃していないからだ。ただ単に家にいないだけなのだが、多くの人が帰っても寝るだけ、という生活をしている中で、どうやって世の中のことを知ったり、その上世の中に怒ったり、世の中を変えようなんて余力があるだろう。こういう状態を経験すると、「フリーターデモ権利を主張」なんてニュースの断片を耳にしただけでヒステリックに怒る過労正社員層の切実な気持ちも少しは理解できる。彼らにとっては、非正社員は「自分より楽をしている」と思えるのだろう。

でも、そんな足の引っ張りあいはやめよう、と訴え続けなければならない。だって正社員が死ぬほど働かなきゃいけないのって、今の正社員の座から転がり落ちたら何の保障もない非正規雇用になるのが怖いって気持ちも絶対あるでしょ? で、企業って、そういうとこ絶対利用してるでしょ? 身近なリストラとかで、脅迫されてるでしょ? だけど、「何の保障もない非正社員の生活」が正社員層の過労の原動力になってしまうなんてあまりにも悲しい。少なくとも、どっちも幸せじゃない。スケープゴートを作っても結局誰も救われない。

 

http://www.magazine9.jp/karin/071017/071017.php

  • 所で本当にやばいのは「ダブル・トリプルワークで食いつないでいる非正規社員」だと思うんだけど こういう層の事も抜け落ちてるよね。 彼らは何の保障もない状態で一日十何時間休日...

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