地震後の東電の電力不足問題で、関西電力や中部電力管内で節電して協力しようというチェーンメールが出回った。
その後、関西電力や中部電力はチェーンメールを否定し、ネット界隈では「周波数の壁があって送電の上限がある」ことは一定の周知を得るに至った(おかげで100万kWhの壁が有名になったが、現時点ではあの手この手の奥の手で少量の融通をしていいるのでこの数字は厳密ではない。200万には遠く及ばないが)。
これらの動きの中で、何人かが電力会社に「節電の必要性」について関西電力や中部電力に問い合わせた人がいるが、はっきりいって「そんな問い合わせは無意味です」。
なぜか
・電力会社は、電気をたくさん使ってもらうことによって利益を上げています。不要な節電をされてはこまるのです。
・かといって、会社として「電力をばんばん使ってください」などと省エネを無視したことが言えるわけもありません(社内ではちゃんとそういう教育はされます。しかし、営業で口がすべることはあります。環境にいいとか何か別の口実を見つけてセットで電力需要開拓をしていますが、何の前提もなく単体で「じゃんじゃんつかえ」とは原則として言えません)。
したがって、「何かの差し迫った状況」でもない限り、電力会社がはっきりしたメッセージなど出せるわけがないのです。
「西日本で節電したら、その分火力発電等の燃料を融通できて東日本にメリットがあるのでは?」と考える人もいて、実際に一部話題になり毎日新聞が静岡(の中部電力管内)での動きを取材して中部電力にも取材して「そういう意義はないわけではない」旨現地をとって記事にしたものもありました。
西日本で節電が無意味か?これは送電網だけ知っていれば答えが自明の問題ではなく結構複雑な話題です。詳細は私の知識の範囲を超えるのでが、東電管内と比べれば、経済委縮効果を招くような節電はデメリットが大きいでしょうという程度にとどめます。
ただ、「電力会社」に「節電って意味がありますか?」と問うたところで意味のある答えが返ってくることは期待しないでください。取材結果を載せているブログもありますが、その文言には「意味はない」と思う方がよいです。