2022-08-20

https://president.jp/articles/-/52798?page=2

自殺者の97%は精神医学的診断がつく病気」→「病気治療をすれば自殺は防げる」という論法には著しい論理の飛躍があります相関関係因果関係と決めつける飛躍に加え、治療が成果を出すとは限らないという現実を完全に無視した飛躍があるのです。



もしも、張医師言葉が正しいのであれば、早期に治療につながった人の自殺は食い止められ、治療を受けていなかった人が自殺をしているはずです。ところが、自殺した人の多くは、むしろ既に精神科治療を受けていたことがさまざまな調査で判明していますさらには、張医師意図的に「病気」と表現することにも問題があります。なぜならば、それらは正確には「病気」ではないからです。




精神医学的診断は通常の「病気」の概念とは別物

精神医学は他の身体医学と決定的に異なり、生物学指標をもとに客観的に診断する手法存在せず(一見すると科学的、客観的に見える光トポグラフィーなどの診断補助はあるが、定義された診断名と合致できる判定をすることな不可能)、「病気(disease)」とは異なる“disorder”という概念を持ち出して診断名をつけることになっています。disorderは「障害」と翻訳されていますが、その訳語不適切です。本来は正常な状態から外れているくらいの意味合いであって、「症」と訳すのが適切ではないかという議論があります



まり精神医学的診断は通常の「病気」の概念とは別物なのです。無論、張医師一般的意味であえて「病気」という分かりやす言葉を用いた可能性はありますが、その言葉から一般の人は、脳などに異常があって病院にかかって薬などを用いて治療すべき状態を思い浮かべるでしょう。それは誤解を与える表現です

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