2022-05-17

なぜPlayStation Now知名度は著しく低いのか

PS Nowとはどんなサービスなのか?

PS Now | PS5、PS4、PC向けのオンデマンドのPlayStationゲーム

簡単に言えば「サブスク」と「クラウドゲーミング」だ。つまり月定額で遊び放題、対応するゲーム自由ダウンロードしてプレイすることができるし、そのゲームクラウド上で動かしてプレイすることもできる、といったサービスである

このPS Nowリリースされたのは2015年である。競合のXboxのサブスクであるXbox Game Pass」は2017年日本では2020年)、「Xbox Cloud Gaming」は2019年日本では2021年)なので、遥かに先行していたわけだ。

しかしいま「ゲームのサブスク」といえばXboxの「Game Pass」を、「クラウドゲーミング」といえばGoogleの「Stadia」やAmazonの「Luna」などを、それぞれ思い浮かべる人のほうが多いのではないかと思う。場合によっては「PlayStationにはサブスククラウドゲーミング存在しない」と思われているかもしれない(プロゲームライターですらそう書いていたのには驚いたが…)。

圧倒的に先行していたはずのPS Nowが、なぜこれほどまでに低迷しているのだろうか。いくつか理由を挙げてみよう。

どんなサービスか分かりにくかった

PS Nowは当初「クラウドゲーミングであることを強調していたものの、「定額で遊び放題」という点はあまり前面に出していなかったと思う。つまりPS Nowクラウドゲーミングサービスである」と知っていた人でも、「PS Nowは定額遊び放題のサブスクサービスである」とは知らないことが多かった。

クラウドゲーミングはまだ使い物にならないと思われていた

現在でも「ラグが酷い」「回線が重い」となかなか普及しないクラウドゲーミング。ましてや2015年の段階ではトラブル続出で「面白いサービスだけどまだまだ使い物にならない」というのが多くの利用者の実感だった。そのためコアなゲーマーからは早々に見切られることになり、一般利用者層にまで広まらなかった。

当初はダウンロードができなかった

サービス開始当初のPS Nowクラウドゲーミング専用で、対応ゲームダウンロードしてプレイすることができなかった。2018年からダウンロード対応するようになったのだが、その頃には多くの利用者PS Nowを見切ってしまっていた。なので「Nowクラウドゲーミング専用」という意識が根強く残っていた。

対応ソフトがしょぼい

Xbox Game Passは「大作ゲームでも発売日からGame Passでプレイできる」というのを売りにしている。一方で、PS Nowは新作がそこまで早く入ることはない。必ずしもGame Passの安売り的な戦略が正しいとは言いきれないと思うが、プレイヤーから見てPS Nowラインナップにインパクトが薄いのは事実である

名前がわかりにくい

意外にありそうな要因。特にPS Plus」と「PS Now」はしばしば混同されているように思う。「PS Plus フリープレイ」や「PS Plus コレクション」などの「PS Plusに加入していれば無料ダウンロードできるゲーム」があるのも混乱の原因となっている。

……これらの理由からリリースから数年もした頃には、PS Nowはすっかり目立たないサービスとなっており、Xboxがサブスクに力を入れて話題になった頃には、もう「PSにもNowというサブスクサービスがある」という認識が薄れていたのだと思う。

さて、今年6月2日に、PS PlusとPS Now統合される。わかりにくかったサービスを整理するチャンスであり、知名度向上を図るチャンスでもあると思う。しかし、ここでコケればもはや挽回のチャンスはない。社運を賭けるつもりで頑張ってもらいたい。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん