2019-12-16

イケメンになって世の中に絶望した

中学生の頃までは、100人に1人にイケメンと言われるくらいだった。無理だと思いつつも、成長したらイケメンにならないかな、と常々思っていた。

雅法(笑)とか造顔マッサージとかして、眉毛整えて、コンタクトにして、日焼けしないようにした。

高校に入り、骨格が大人っぽくなった。鼻は高く、ホリも出来て、筋肉質で痩せるようになった。

唇も顔に筋肉が付き薄くなり、片方だけ二重だったのが両方とも二重になった。

9割くらいの人にイケメンと言われるようになった。あっさり願いはかなった。

自分眼鏡を付けるとめっちゃ見た目が変わるタイプで、「眼鏡をはずしたらイケメン」みたいな属性もあった。

女の子自分の事を「対等」に扱わなくなった。普通人と接する時は基本そっけなく、仲良くなると良くしゃべるものだと思う。

その上で、性格が合わないと嫌ったりするものだ。

しかし、基本的女の子に嫌われなくなった。喋る内容も、優しくなった。無口はクールバカは天然として処理されるようになった。

だが眼鏡をかけると、存在モブになる。昔と同じになるのだ。眼鏡を付けた時と、眼鏡を付けないとき、まさしく世界が180度変わるさまを見せつけられた。

自分自身、かなりのメンクイなので、気持ちは分かった。わかる分、眼鏡を付けない時の自分が酷く偽物のように感じ、高校生活はほぼ眼鏡で過ごすようになった。

恋愛に関しては、からっきしだった。デートまでは割と簡単に行ける。しかしその先が無い。

よく「女はイケメンしか興味ない」というが、女の言うイケメンは顔ではない。立ち振る舞い等の雰囲気と、中身のイケメンさ。

どもりで、ペドフィリアで、臆病で受け身自分にはそれが無いというのを何度も理解させられた。「インテリアとしてはいいね」と女友達に言われた。

20代にして髪も最近薄くなり、女顔なので賞味期限もきれはじめ、ただのおじさんになりつつある。

ほぼ顔で判断される女に生まれていたら、割とモテていたのかなと思う。

あるいはホモだったら、抱かれまくりだったろうなと思う。

男らしくなりたいが、見た目以上に中身を変えるのは難しい。

人は見た目で判断する生き物だ。しかしそれ以上に中身を見ている。少なくとも女は。

世の中捨てたもんじゃないよ、と思う同時に、俺にとっては捨てた存在だった。

というより世の中に俺が捨てられただけだった。

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