2019-05-07

「やまポン」というアイドルにハマったおじさんの記録

やまポン。私の推しである

50をとうに過ぎたおじさんが何故やまポンに出会ったのか。

やまポンとの出会いは偶然だった。

先週のことである。近所のモール家族で行き、妻子の買い物が終わるのを広場で待っていたところ、若い女の子たちが集まってきたのだ。何かイベントがあるのだろう、折角だからと見ることにした。

正直に言うと、私はBee Boysのことをこの時までよく知らなかった。もちろん地元なので、そういうグループがあるということは知っていたが、実際に見るのは初めてだった。

たくさんのファンが待つ中、ステージに出てきた男性たちの中に、ファンの目を見ながら各方向にブンブンポーズ(名乗りの時にするポーズ)をする人がいた。それがやまポンだった。ステージ上のやまポンはなんと、少し離れたところから見ている私に笑顔で手を振ってくれたのだ。若い女の子たちに手を振るべきであろうイベント会場で、当時まだファンでもない、今後ファンになるかも分からないくたびれたおじさんにだ。なんだこの子は、と思った。何故こんなおじさんにも笑顔で手を振ってくれるのだろうか。思わず手を振り返した私を見た彼は、一層目を細めて笑い、視線を外した。私の手はしばらくそのままだった。あまりにも可愛かったからだ。ステージ最中、私の目線はやまポンに釘付けだった。

ステージの後は握手会があるらしい。CDを買うと参加できるとのことで、少し迷ったがやまポンと握手をすることにした。列に並んでいると、意外と男性がいることが分かる。場違い空気を感じていた私はここで少し安心した。

目の前の人が終わり、いよいよ自分の番が来る。一歩前に出た私は、私だけを見ているやまポンの笑顔に恥ずかしながらノックアウトされてしまった。「初めてだったが楽しかった」「手を振ってくれて嬉しかった」「また来たい」。目映い笑顔ドギマギしながらもなんとか伝えると、やまポンはニカッと笑ってこう言った。「ありがとう、またきてね」と。

テーマカラーは銀、特技は盗塁、そして本名山本龍臣。山本龍臣、という名前だけを聞けば確かに野球部にいそうだ(これは偏見かもしれないが)。しかし彼は笑顔がとても可愛い青年なのであるあの日から私は毎日やまポンのことを調べてしまっている。すっかりやまポンの虜だ。あの時は「ファンになるかも分からないのに」と思ったが、あのお手振りはなかなか効果があったらしい。

そして「またきてね」というあの優しい声を聞くために、私は今週も何の用もないショッピングモールへ行ってしまうのだろう。趣味もなく枯れた人生だったが、やまポンに出会えたお陰で週末の楽しみができた。ありがとう、やまポン。これからよろしくね。そして私のようなおじさんたちも、一度Bee Boysに会いに行って見てほしい。きっと良さが分かるだろう。

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