2016-03-10

母について

から20年ほど前の事を書こうと思う。

当時俺は小学1年生で、事件は初めての授業参観が終わった後の授業の合間の休み時間に起こった。

同級生が楽しく親と談笑している中、母が俺に「好きな女の人はいる?」と聞いてきた事が発端である

俺は子供ながらに「お母さんかな」と少し照れながら答えたが、母は期待していた返答を得られなかった様で不満げにもう一度聞いた。

「それは分かってる。クラスメイト好きな人はいるの?」

俺は別段他人恋愛感情を抱いた事がそれまでなかったので「いないよ」と答えたが母は「嘘でしょ」「正直に答えなさい」としつこかった。

うんざりしたので無難に健気な感じのAさんの名前を告げた。

すると母はいきなり激昂して「いやらしい事を考えるな!」と叫び俺の顔を殴った。

人が異性を好きになる事について何がいやらしいのか全く知識がなかったので本当に困惑したし、

唐突に繰り出された理不尽暴力意味不明さにその場で泣いてしまったが

ぎょっとこちらを見つめるクラスメイトやその親に対して母は「この子ちょっとおかしいんですよ」と告げ口して回った。

挙句の果てにはAさんとその親に「この子Aさんが好きなんですよ。気持ち悪いですよね」と言う始末だし

俺はどうして母がそんなろくでもない言動を取ったのか理解できなかったので(今も理解できないのだが)混乱して何も言えなかった。

他人にとっては笑い話だろうし20年も前の出来事なので今更騒ぐ気にもなれないが、

小学 + 中学の9年間で異常者というレッテルをはられ信頼を失ったまま生活しなければならなかったのは俺にとって深刻なトラウマだ。

これは「今ではそのAさんと幸せな家庭を築いています。母には感謝してます」などというサクセスストーリーではない。

学校にも家庭にも心の許せる人がいなかったし、本当に惨めで苦しかったんだ。

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