昨日の記事で伝わり難かったようなので補足しとくん。
商業的な視点で二次創作をした場合、別に二次創作だから楽だっていうことはないんだよ。ある作家が、オリジナルの作品で漫画を一冊描く小説を一冊書くにくらべて、(オリジナル展開の)コミカライズ、ノベライズをしたほうが楽かって言うと、別にそんなことはない。
展開がオリジナルである以上、借りてこれるのは世界観やキャラくらいであって、エピソードや物語そのものを作る手間は変わらないし、実際それを組み立ててまとめる手間も変わらないんだよ。キャラや世界観を借りれるから楽になるアドバンテージだって、その世界やキャラを読み込んで把握し、原作サイドに許可を得たり監修受けたりする手間と相殺だ(人によっては、二次のほうが大変だと思う。自分がそうだ。ノベライズは相手によってすごく大変)。
「読者は世界観やキャラを知っているので説明しなくていい」っていうのは、書き手の誠実さの問題であって、一冊の商品として考えた時、二次だろうがスピンオフだろうが、前提知識なしで楽しめたほうがいいのに越したことはない。多くの商業二次は、そういう工夫をした形跡があると思う。「二次創作だから説明しなくていい」なんてルールはないんだ。それはただ単にそのコミュニティ(いまの同人)の常識であって「二次創作のルール」ではない。
その証拠に、単巻で成立するような誠実な小説同人を書く人は存在するし(多分漫画同人でもそういう人はいる)、前回の記事は「そういう視線の人にとって二次創作は別にそんなに大きなアドバンテージじゃないよ」って言う指摘だったんだよ。
じゃあ、なんで二次創作は敷居が低い、という話になっているのかって言うと、二次創作と、同人作品(原作者に監修を受けていない)と、断片作品(それ単体では成立してなくて、ある情景や関係を切り出して作品化してみたもの)と、コミュニティチケット(作品を書くことそのものではなく作品ファンのコミュニティ参加が目的である作品)みたいないくつかの動機や作品を、ざっくり「二次創作」というキーワードで並列に話そうとしているせい。
「二次創作」そのものには、創作を楽にするような要素なんて、特にない。
どちらかというと「今のファンコミュニティでは、単体成立していない情景や関係性に絞ったような掌編作品も大いに許容されていて、そういう文化は敷居が低い」ってのが正確だと思うんだよ。
そして、それ自体はすごくいいことだと思う。参加して初めて実感できるお祭りの良さってあるもんね。それで褒められたら欲が出て「いつかは単巻で成立する作品を!」って思うかもしれないし!
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