ある伝統工芸に興味をもった。
職人になるには、一人前になるまで約10年、ほぼ無給の内弟子生活を強いられるそうな。
と嘆くけど、いや、それ無理じゃんかと思う。
仕事が出来ない、1円の価値もない素人に10年給料を払い続けるシステムの構築が急務と、俺なら考える。
しかし、その原資は、というと難しい。
良さを理解する人が少ない。
数少ない顧客に訴求するために、高付加価値商品、限定商品にシフトする。
コンサルの答えとしては正解なんだろう。
今さら廉価商品を開発したって、機械で大量生産できるようなものだと大手にゃ敵わないし、素人でも作れる品質なら人海戦術が使える途上国に敵わない。
というか、技術そのものをアップ出来るんなら、限定生産なんかしなくても、全部の既存商品の品質レベルを上げられる。
オーバースペックな材料に、技術は並、製品としての品質は並かそれ以下になる。
そうやって、WinWinかと思い続けて数十年。
売り上げが右肩下がりなことに気付く。
入門モデルより高付加価値商品にシフトしたツケを払うことになる。
廉価モデルのマーケットでは、同じ値段で倍の性能を持つ海外勢にボロ負けする。
技術者の減少が甚だしい。
技術者が使う専門の道具もまた、専門の職人の手によるものだが、その職人はもっと前から後継者不足だ。
もう詰んでる。