2015-03-30

絵師が何で無償で絵を描くことをここまで嫌がるのかやっとわかった

私自自分画力生業にしている人間から自分労働価値が軽く見られる気持ち、というのは十分理解しているつもりだけど、

例えばTwitterで一番仲の良い人に「ちょっとアイコン描いてよー」とか言われたり、

幼馴染の結婚式サプライズ用にちょっとしたイラストをお願いされたり、なんかそういう「え、そのくらいなら軽ーくやってやりゃいいじゃん」

っていうことに対してまで"無償"ってだけでめっちゃ嫌悪感を抱いている人が自分の周りには多いなーって思って最近いろいろ考えてた。

それで最近やっとわかった、彼らと自分の違いが。

彼らは根本的に画力が低いんだ。

画力中途半端な人の多くは遅筆だ。

例えば完成度70点の絵があったとして、(絵の完成度を点数化するのはおかしいと思うけどここは便宜的にそう表現する)

自分含めた画力が高い人なら鼻歌混じりにホイホイホーイって具合に適当に手を抜きながらでもすぐにこれを完成させることができるけど、

中途半端画力な人が70点の絵を完成させるには集中力フルパワーを発揮させて長い時間をかけ修正修正を重ねた末、ようやく完成する。

同じ70点クオリティの絵でも描く人によって注ぎ込まれ精神エネルギーの量が全く違うのだ。

そして画力の低い人は手を抜くことができない。

120点の絵が描ける人が適度に手を抜いて100点の絵を描いたとしても、多分それは多くの人の心をつかめる素敵な絵なのだと思う。

しかし、全力で70点の絵しか描けない人がこれ以上手を抜いたら60点、50点、ヘタすると30点20点の悲惨な代物になってしまう。

多分、彼らも30点20点の絵では誰の心もつかめない、それどころか人に見せること自体絵師としてのプライドを傷つける落書きだということを理解しているのだと思う。

から、彼らは手を抜けない。常に全力でなければプライドを保てない。

私が「ちょっと適当に絵を描いてみてよー」って言われるのと彼ら画力中途半端勢が「ちょっと適当に絵を描いてみてよー」と言われるのでは

同じレベル要求でも言われた側の精神負担が全く違う、っていうことに最近気づいたという話。

みんなもそんな感じの人には気軽に「ちょっと絵描いてみてよー」なんて言わないであげてね、可哀想から

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