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はてなキーワード: Taico Clubとは
こんな状況になってもおれはCorneliusを聴いてしまうし、いまだにAmetsubを聴いてしまうし、それらの行為を「しまう」なんて言ってしまう。むろんオリンピックに関わることの、あるいはTaico Clubにシークレット出演することの是非はこれとはまったく別の問題だし、それぞれの行為は（然るべき人からは）咎められるべきものなのだけど、Twitterでパブサしてると「もう聴かない」「聴けない」といった言葉が散見されて、その気持ちも理解できるのに、じゃあどうしておれは聴けるんだろうと思った。
ふたりとも作っている音楽が無機的だから、歌詞に重きが置かれていないから、アーティストとしての匿名性が高いから、みたいな理由はぱっと挙げられるけど、どれも「聴かない」論者にとっては無意味なのだと思う。泥水が一滴入った水を飲めるか、の例えじゃないけど、「そういう手」から生み出されたものはまるきっり受け付けないという人の気持ちは想像できる。
想像できるのに、じゃあなんで聴けているんだろうと考えると、おれはおれのなかに、発露されていないだけの卑怯さとか、陰湿さとか、姑息さとか、そういう弱さがあるのを認めているからだと思う。自分のことをまだ捕まっていないだけの犯罪者だと思っている、と言っては大袈裟だけど、自分が咎めていい側の人間だとは到底思えない。
ふたりの悪徳は見えていなかったものが見えただけなんじゃないかと思う。見せないための理性が効かなかったことが問題なのだが、そして自分はまだ見られていないだけだとも思う。だから「そういう手」でもって作られた精緻な音楽に、ある種の希望のようなものを見出してしまう。
