俺は生来汗っかきで、常に脇の下が湿ってると言って過言じゃない。
この湿りをデメリットではなくメリットに思いたい。そうした着想から生まれたのが、脇の下をきのこの菌床にするということだった。
最初は半信半疑、上手くいくかどうか不安だったのだが、ある日起きると違和感が。
そこで脇の下を確かめてみると…生えていた。
ぶなしめじひとつのような小ぶりなきのこがちょこんと生えていたのだ。
それからはトントン拍子に栽培は進み、今では毎日安定した量が収穫できるまでになってきた。
なので最近は朝食のお味噌汁に入れたり、毎日のお弁当に用いたりとでとにかく重宝している。
そんな折、同僚の女性が「増田さんのお弁当って、いつも手作りなんですか?」と聞いてきた。
俺は驚きながらも「え、ええ、そうですね」と答えると「じゃあそのきのこの天ぷらも?」と続けて聞いてくるわけだ。
そうですよと頷くと「すごく美味しそう!あの、ちょっともらっても良いですか?」と彼女が言うので少しあげると「…美味しい!」というので嬉しいやら恥ずかしいやら、なんとも複雑な心境だった。
このきのこって、どこで買ってるんですか?と言うのでとりあえず近場のスーパーの名前をあげると「そこなら…あまり遠くないので、今度帰りにでも一緒に行きませんか?」なんて誘われてしまった。
臭そう
物を知らないやつは子実体がキノコだと思ってるけど 「菌床」とか言ってるほうが本体なんだよ