2024-04-04

https://anond.hatelabo.jp/20240403162502

僕はバーカウンターに座り、バーボンを一口すすった。グラスの中の琥珀色の液体が揺れる。新人の男が入ってきてから、何かが変わってしまった気がしていた。

彼は誰もが振り返るような美男子で、女性社員たちは彼の周りに蝶のように集まっていく。一方で僕は、彼女たちとランチに行ったこともない。まるで、存在否定されたような気持ちになる。

僕は自分が男として劣っているのだろうか。身長は175センチ、顔だってそこそこだと思っていたが、本物の男が現れた途端に、こんなにも扱いが違うのかと思い知らされた。

頭の中では、新人女性社員とベッドを共にする姿が巡る。それは今は妄想しかないが、いずれ現実になるのだろう。

だが、比べても意味がないことは分かっている。彼と僕では、立場経験も違う。僕にできることは、仕事に打ち込み、信頼を築くことだ。コミュニケーションだって努力次第でどうにかなるはずだ。

グラスを傾け、最後の一滴までバーボンを飲み干した。会社を辞めるなんて選択肢はない。明日も出社しなければ。自分なりのペースで、着実に成長していくしかないのだ。

僕は数千円札カウンターに置き、店を出た。どんより曇った空の下を、会社へと向かう。

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