アニメ一話のネタバレありなので、これから一話目を観ようかなと思ってる人は読むな。
じゃあ本題に入る。
一話目でアイが死ぬことに納得できないという投稿を見たんだが、この作品の構成にある問題点はそこじゃないよ。
そもそも推しの子において愛にテーマを絞らなかったのは、メタで言えば作風がかぐや様とかぶるからだと思ってる。
だから一話目でアイが死ぬこと自体には構成的になんの問題もないし、寧ろ新たな作風の萌芽を死によって描いているさえ言える。
問題は「父親は誰か」というミステリー要素を主軸に据えながらも、主人公が”アイの赤ちゃんに転生した”というファンタジー要素を入れてしまったことだ。
これ、聡い人ならすぐに納得するはず。
つまりは”ミステリー”といった、ある種”限られた世界”を前提とするものにおいて(推しの子では”現実世界”)、その前提の中に”ファンタジー”が入り込んでしまうとどうなるか?
要は、”なんでもあり”になってしまうのだ。
推しの子は最初の突飛な展開(殺され、推しの子に生まれ変わる)によって多くの読者の興味を惹くことには成功したものの、それによって本筋のミステリーがおざなりになってしまうことが避けられない、というのが本作品における大きな問題点であると思う。