2023-04-30

祖父が死んだ日

私は大学宗教学の授業を受けていた。

ある地方では魂は2つあったり7つあったりすると考えられているという先生にある種懐疑的な思いを抱きながら

日本人は、墓と仏壇両方用意するが魂の所在はどちらと言えるのか?と尋ねられて言葉に窮した。

考えている内に三日間意識不明入院していた祖父が亡くなった。

ゴールデンウィーク中に会いたいと電車の予約を済ませ荷物を纏めたままで彼は逝ってしまった。

かに涙を零しながら、課題を提出し、教室を抜け出した。

午後の授業の事は一切考えられなくなり、駅へ予約した電車切符二枚を払戻しに行った。

その内一枚を払い戻し終わると、不意に午後の授業に間に合う気がして来た。

手ぶらのままでシャーペンだけ購入して、授業に出席した。

私の大好きな内容の講義、忌引届の裏に必死メモを取ると全て忘れられる気がした。

講義が終わった後も家に帰りたくなくてそのまま居続けた。家族の顔を見て何を話せば良いのか分からなかった。

ここに居させて下さい、と願いながらノート消しゴムを買い足して、授業に集中しようとした。

真っ直ぐ教師を見つめると、度々目が合う。皆講義に飽き、俯いていたので目立ったのかも知れない。

何も口にしていないのに、鎮痛な面持ちの講師が言う。

「どんなに辛いことがあったとしても、振り返って見ると案外支えられていた事があったのだと感じる事が出来る筈だ」

と。授業の内容よりその一言が沁みた。

今は祖父のいた頃に帰れるものなら帰りたいと、ジブリの「あの夏へ」を弾けるよう力を入れている

  • 魂7個説が中国だったか日本だったか毎回思い出せねえ

    • 🐲「つっかっもおぜッ!ドラゴンボールっ!」 🐷「ギャルの🩲おくれーっ!!」

    • 【 沖縄の通夜儀礼「ヌジファ」に見るマブイ 】 ★ 沖縄の人々は生きている体の内には、その行動や心を司る霊魂、つまりマブイがあると信じています。 ・ さらに人の体のなかに...

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