私は、たぶん何を言ってもあなたの心をいやしたり慰めたりすることはできない。
でも、私の立場から思う、とても羨ましいところが、その人と血を分けた子どもがいることだ。
その子には、まだ小さいからわからないかもしれないけれど、確実にあなたの旦那さんの遺伝子が入っている。
私はある。「なんかお父さんに似てきたな顔」とか「うわ、この仕草お母さんそっくり!」とか。
あなたが苦手なテーマパークに行きたがるのは、きっと旦那さんがあなたでは怖い乗り物も乗りこなしてしまう遺伝子が、確実に生きているからだ。きっと、これから先、お子さんが大きくなるにつれて、旦那さんの片鱗が見えてくることがあると思う。
旦那さんは、きっとそこにいる。お子さんがあなたの思い出話をただ聞いてるだけのように見えても、その体の中には、旦那さんの遺伝子がある。性別が同じだろうと、違っていようと、きっとどこかで「夫にそっくりだな」と思う日がくるよ。
私は、パートナーがガンだ。30代でガンになるのは人口の1%以下らしい。
抗がん剤治療の影響で、もうほぼ100%の確率で私たちは血を分けた子どもはつくれない。
もし、子どもがつくれたら、彼に似た眉毛とか、彼に似た声とか、彼に似た性格とか、
そういう子どもから感じる彼の遺伝子を、彼がいなくなっても子どもに話してみたかったなと、私はそう思うことがある。
私もいずれ、パートナーが亡くなってひとりになった未来を生きることになる。
そのとき、もし血を分けた子どもがいれば。そんな風に彼の遺伝子を探しながら子育てを楽しんでみたかったなと、思うからだ。
面影があるから癒されるっていうなら 死んだ人の兄弟見ても癒されるはずだが 全然そんなことないのでそれは大きな思い違いだと思う