2022-08-25

奇譚トトロさま

起端

サツキお化け屋敷みたい!」

サツキ「アハハハ… あっ。 フフッ、腐ってる。」

メイ「ああっ…」

サツキ「お父さん、ここに何かいるよ。」

サツキ「わかんない。」

サツキゴキブリでもない。ネズミでもない。黒いのが、いっぱいいたの。」

サツキ「お父さーん。やっぱりこの家、何かいる。」

お父さん「この家を管理されてる、隣のおばあちゃんだよ。応援に来て下さったんだ。」

サツキ「メイ、手まっくろじゃない。どうしたの。」

カンタ「やーい、おまえん家… おっばけやーしき~。」

遭遇

メイ「んー。あなたはだあれ? マッククロスケ?」

メイ「トトロ! あなたトトロっていうのね。」

メイ「やっぱりトトロね。トトロ…」

サツキ「メーイッ。メーイッ。」

サツキ「お父さーん。メイの帽子があったー!」

メイ「トトロいたんだよ。」

メイ「毛がはえて、こーんな口してて、こんなのと… こんくらいのと…」

サツキ「お父さん。メイ、ここでトトロに会ったんだって。」

サツキ「おばあちゃーん。出たーっ!」

ばあちゃん「だれか来たんけぇ?」

サツキ「出たの! お父さん、出た出た!」

メイ「こーんな目してるの。」

サツキ・メイ「コワーイ。」

対処

ばあちゃんカンタ本家へ連れてってあげな。電話かしてもらえ。」

ばあちゃんカンタ~。早く父ちゃん呼んでこい。メイちゃんが」

カンタの父「すまねぇな。みんな。ご苦労でも手分けしてたのむよ。」

隠伏

ばあちゃん「ばあちゃんが、いてやっから。な?」

お父さん「くたびれたかい?」

サツキ「ううん」

サツキ「あっ! メイ、隠れて!」

ばあちゃん「だれか来たんけぇ?」

お父さん?「もうじきだよ。」

サツキ「みんなには見えないんだわ。」

ばあちゃん「そうか、あんたらにも見えたんけぇ。」

お父さん?「こらこら。雨戸が開けられないじゃないか。」

サツキ「こわれるーっ。アワワワ…」

みっちゃん?「サーツキちゃーん。」

メイ「“サーツキちゃーん”だって。」

サツキ「シーッ… おとなしくしてなきゃ、ダメでしょ。」

お父さん?「サツキウラ勝手口を開けて」

メイ「お父さん、お家ボロだから潰れちゃうよ。」

お父さん?「ハッハッハ…」

メイ「焦げてる。」

お父さん?「明日ちょっとムリだなあ。」

サツキ「もうすぐだから、がんばりな。」

ばあちゃんナンマンダブ。ナンマンダブ…」

お父さん?「楽しみがちょっと延びるだけだよ。」

お母さん?「早く退院して、お化けに会いたいわ。」

メイ「メイも、メイも。」

サツキ「待ってぇ。」

メイ「ちょっとそこまで。」

サツキ「イイ子で待ってるって、約束したでしょう。」

サツキ「まだ2時間あるし、おばあちゃんだって忙しいのに…」

夜明

サツキ「早くーっ。」

サツキ「お父さーん。朝ですよ!」

お父さん?「えっ、もう…?」

サツキ「ない!」

サツキ・メイ「やったー! やったー!」

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