電車で帰宅する途中、ターミナル駅で時間調整をしていた、多分1分か2分くらいの間での出来事。
車内の状況としては降車の客が多く、全員座れる~数人立っていたのが座席に空きが目立っていた状態。
自分は当初三人掛け席のドア側に座ってイヤフォンをしていた。そうしたら隣に座っていたおじさんが持たれかかってきたのだ。
普通ならば肩のところに寄りかかられるところ、おじさんは前の方にも傾いていて、ちょうど脇と鎖骨の間くらいに髪の毛が当たっていた。
顔が見えないのにおじさんと書いたのはこの髪の毛が白髪交じりで、といっても黒いところはほぼなく灰色と白の混合の、あまり手入れがされていないごわごわとしたものだったからだ。
そのごわごわが薄手の布越しに当たってものすごくこそばゆかった。しかも擦り付けるようにしてきたのでなおさらごわごわがくすぐったい。拷問刑でくすぐり刑があるように正直耐えられそうにない。
あとこのご時世で空きが多いのに隣に座られて密着されるのはちょっと……とも考えた。おじさんの隣は空席になっていたのだし。
ちょうど斜め前の七人掛けロングシートが空いているのが見えたので、荷物を抱えたままそちらへ移動した。電車が動く前に、とちょっと急いだ風だったように思う。
そしたらおじさん、すたこらと電車を降りていったのだ。七人掛けに移った私の対面となった女性が唖然とおじさんを見ていた。そこで電車は発車した。
もしかすると勘違いなのかもしれないけれど、だいぶ黒に近いグレーだと思う。おじさんの髪とは逆側のグレー。
しかし呆然としている間におじさんは降りて電車は発車してしまったし、「寝ていてもたれかかってしまっただけです」と言われたら推定無罪なので罪には問えないと思う。