2022-06-04

中学生の頃、なぜかあまり絡んだことのない女の子から突然、付き合おうという話を持ちかけられた。断る理由特になくて、その子に悪い印象もなくて、何より他人からストレート好意を向けられたことが嬉しくて、即オーケーした。何かしばらく話し合って、最終的にはこちから「好き」と言った(言わされた)ような気がする。昔のことをすぐに忘れるので、どんな話をしたのか、どう感じたのかを思い出せない。

よく覚えているのは、学校から一緒に帰っていたこと。海のすぐ近くの学校だったから、グラウンドの裏に防砂林があって、その人気が少ない小道を、その子の家の方向まで歩いた。好きな漫画の話とか、ドラマの話をしたかもしれない。

結局のところ、その子や周りの話から、その子が前に付き合っていた男から振られて、その寂しさを忘れるために駆り出されたのが自分だったようだった。その話を聞いても、あまり嫌な気持ちにはならなかったと思う。その時の自分には、まだ相手を慮る気持ちというのが不足していて、現状に満足していて、未来を疑っていなかった。だから人間関係喪失についても、想像力を持ち合わせていなかった。

半年もしないうちに、自分は振られた。振られた時に何を言ったか、どう感じたのか、よく覚えていない。あまり心が動かなかったのかもしれない。

ずっと後で、実家にあった卒業アルバムに写っていたその子写真を見て、懐かしく美しい思い出に思えた。

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