2022-01-26

anond:20220126192036

確率って何?」というのは全然難しい話じゃなくて、「これは確率です」というのは「(互いに異なる)状態がいくつかあって、それぞれに1より小さい正の数が割り当てられていて、その数を全部足すと1になる」という構造があるということを言っているに過ぎない。サイコロの目は1,2,3,4,5,6があってp1, p2, p3, p4, p5, p6という正の数(ただし p1 + p2 + p3 + p4 + p5 + p6 = 1となる)が割り当てられている。普通の偏ってないサイコロならp1=p2=p3=p4=p5=p6=1/6と考えるアレだ。「状態」と「状態に割り当てられた正の数」のセット、ただし数を全部足したら1。それだけ。この数が確率であって、これをコルモゴロフの(古典確率論と言う。これは人間直感にも合っててよく理解できる。

でも自然現象はめんどくさい奴で、物理的な「状態」、例えばなんかの粒子が位置xにいて速度がvですというな状態だけど、に対して正の数pを割り当てて「状態(x,v)が起こる確率はpです」という風に記述しようとするとどうしても上手くいかないんだな。何かもうちょっと巧妙な記述の仕方をしないといけない。そのために生み出されたのが量子論で、これが信じられないくらい上手くいったというのが20世紀物理学の金字塔の一つなんだよ。でも量子論構造はコルモゴロフ的な古典確率論とは大きく異なっていてあまりにも人間直感に反するものから(なにしろ状態」はヒルベルト空間の元でそのノルムが確率ですなんていうものだ。しか古典確率論と混在して状態密度行列になったり、観測理論まで行くと作用素値測度がどうとか言い出すことになる)、その有り様をどうにか分かりやすく伝えようとして色々な寓話表現が行われた。その代表格が(哀れな)シュレディンガーの猫という話。

  • いやシュレディンガーの猫は『分かりやすく否定しようとした寓話』だろ

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