俺が中学校で働いてた頃、受け持った中1のクラスに障害児が2人いた。1人は車椅子。もう1人は軽度の知的障害児だった。
クラスに補助教員もいたが、俺は生徒にも障害者と共に生きることを経験して欲しくてお世話係を任命することにした。
1人目のお世話係は最初ということもあって小学校でも児童会長をしていた真面目でリーダーシップのある春菜(仮)という女子生徒にお世話係にした。春菜には、補助教員が忙しい時に車椅子を押すことを頼んだ。
初めは、同じ小学校からの友人とともにきちんとお世話係をこなしていた春菜だったが、2週間もして新しい友人が増えるにつれ、めんどくさそうにするようになった。
そして、ついには「車椅子が重い、なぜ自分だけが障害児の車椅子を押さなくてはならないのか」と不満を零した。
そこで俺は、体育倉庫から金属バットを持ってくると春菜の足の骨をメタメタに殴った。
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2番目のお世話係は、クラスで一番頭が良い英二(仮)に任せることにした。英二には、知的障害児に勉強を教えてやることを頼んだ。瑛二は育ちが良く、さっぱりして優しい性格で、持ち前の頭の良さを生かし、障害児にもわかりやすく勉強を教えてやっていた。お陰で、障害児は軽度の知的障害があるにも関わらず、クラスで下から3、4番目の成績を取れるようになっていった。
英二が愚痴を溢すようになったのはそんな折だった。
「障害児に教えているせいで自分の勉強の時間が減る」「どうして障害児は自分の力で勉強せずに人に頼るのか」、ある日俺は英二が放課後の教室で友人にそう話しているのを聞いてしまった。
そこで俺は、そばにあった椅子を手に取ると英二の頭をボコボコに殴った。
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釣りだろうけど、もしマジの話なら健常児にとっていい薬になったろう。 ダイバーシティとインクルーシブの時代にクラスメイトの好きヘイトするなって話だ。