その昔、ウォーエンブレムという種牡馬がアメリカから日本へ輸入された
アメリカ三冠(ケンタッキーダービー、プリークネスS、ベルモントS)のうち二冠を制覇した名馬で、サンデーサイレンスで大成功を納めた社台ファームが後継馬として輸入した馬
競走成績は文句のつけどころがないうえ、自身の血統にノーザンダンサーもヘイルトゥリーズンも含まれていないので配合のし易さも魅力であった
しかし20億円超の高額で輸入されてきたウォーエンブレムには大変な問題があった
生殖能力には問題ないのだが、牝馬に一切興味を示さないのである
生産者が何度も試してみるうち、小柄な牝馬にだけは興味を示すことが分かったので、小柄の牝馬をあてがっておき発情したところで牝馬を取り換えるという手法がとられた
しかしながらその事実に気付いたウォーエンブレムは激怒し、交配自体を拒むようになってしまった
種牡馬としてのシンジケートは初年度で解散に追い込まれ、保険会社からは購入額の8割程度の保険金が支払われた
その後も試行錯誤が行われ、毎年数は少ないが産駒が産まれ、それら産駒がG1レースを計4勝するなど種牡馬としての能力は非常に優秀であった