「今から少しお時間ありますか?」というお兄さんに対して、私はどんな返事をするだろうかと冷静なのか無謀なのか分からないメタ的・客観的思考に突入
「(電車の時間が迫っているので)寄付の手続きだったらすぐにさせて貰いますよ」と思わず言ってから自分の言動にびっくりしてしまった。
そこには「面倒臭いのは全部すっとばして結果だけを得たい」という感情しかなかった。驚愕しながら財布からデビットカードを取り出す動作は至ってスムーズだった。
快速電車の発車時刻に間に合った自分を心底恥ずかしい人間だと思った。半ば自暴自棄のような感情に染まったまま私は優先座席に少し乱暴げに腰を下ろす。
いつものクセでスマホのメールチェックを見る。1件。日本赤十字社【ラブラッド】「ご協力ありがとうございました」本日行った献血のお礼メールがもう来てる。思わず涙が出た。