だが、作詞の人はオッサンだ。オッサンが若者の悩みを見事に表現している。
そしてわかってしまった。
オッサンやオバサンは、若い人間の悩みなんて全て理解できるのだ。
若くなければ表現できない反骨は存在しないし、貧乏でなければ嘆けない貧困はない。
中島みゆきは良い所の生まれだが、「ファイト」で田舎者のみじめさを見事に切り取って見せた。
「働けど働けど我が暮らし楽にならざり」と言った石川啄木は人の金で悠々自適に暮らすエリートだった。
それと同じことだ・。
つまり、持っていない人間にできて、持っている人間にできないことはない。
苦しくなければ理解できない感情というものは、この世に存在しない。
そして、もし仮に力が無い人間にしかわからない感情というものがあるとして、その思いが純粋に人々に届くことはない。
気が付かなければよかった。
それだったら世界はもっと良くなってるんだよなぁ 貧乏人のことを本当に助けられるのは元貧乏人だけだよ 上辺だけのごっこ遊びなら誰にも出来るんだろうけど
農村の悲哀を書くのは農村から離れた都市の人間 労働の悲哀を書くのは労働から開放されたブルジョワ 文壇ってむかしからそういうもんよ