私は家の都合で、両親の車で送り迎えをされていた。両親とも働いていたので、授業が終わってすぐ車に乗れることは少なくて、図書室にいるか、体育館の前の絨毯スペースで一人過ごしていた。
ここでいれる補足かはわからんが、その頃、なぜか私は「自分には霊感がある」と思っていた。
体育館前の絨毯スペースには、すぐそばに2階へ上る螺旋階段があった。螺旋階段というと聞こえはいいが、小学校のシンプルなデザインに合ったただのぐるっとした階段だった。
確か冬、私はその螺旋階段で遊んでいた。一つ飛ばし降り、二つ飛ばし降り、三つ飛ばし降り、みたいな感じで遊んでた。やる時はいつも左側の手すりに体を寄せていた。落っこちないように。
その時は、自分じゃちょっと難易度の高い四つ飛ばし降りくらいをしていて、落ちないように集中して手すりを掴んでた。
ポンと降りたその時、視界の右側に何か入った。
直感で「直視したらやばい」と思ったので、振り返らずに、そのまま階段を降りた。でも、絨毯スペースの窓がガラス張りになっていて反射で意図せずみてしまった。
黒とはいえない焦げ茶色っぽい感じで、人型で、ぼやっとしてるけどしっかり形があって、階段に座っていた。
心臓がキューーーっとなって、怖かったが、静かに昇降口へ向い、外へ出た。
あれから親を待つ時はグラウンドで待つようになって、卒業するまで絨毯スペースに近寄らなかった。
今もいるのかな、とふと思い出したので書きました。