学生のころ、既婚者と遊んでいた。
そこそこ稼いでいて、いい車に乗って、綺麗なリア充そうな奥さんのいる男を選んでは車に乗せられて、運転中にごにょごにょしたり、車の中で色んなことをした。
今になって思うと、完全に遊ばれていたのはこちら側だ。
全然若さで魅了なんてできていなくて、その辺のティッシュと大差ない扱いを受けていた。
正直、私も彼らのことは全く好みではなかったし、なんとも思っていなかった。
それでも、なぜか彼らの綺麗な奥さんたちに優越感を感じていて、そのためだけに遊んでいた。
「お前らは旦那と幸せにやってるつもりかもしれないけど、若い女とこんなことしているぞ」と思っていた。
自分自身に対しても「こんな刹那的なことしてる自分カッコイイ」くらいに思っていた。
特に結婚指輪をした手で触られている時は「なんかエモくね」とニヤニヤが止まらなかった。
不倫をする人が「自分たちに酔ってしまう」理由が何となくわかった気がした。
これで恋愛感情もあったら、そりゃあドツボにもハマるなと思った。
結果的には、私は恋愛感情を持たれた相手にストーカー被害を受けるという完全に自業自得な理由で、数ヶ月ほどで遊ぶのを辞めた。その後本命の相手もできた。
ただ、経験上そういうどうしようもない「不倫する自分に酔う」気持ちを理解出来てしまう自分がいる。将来の旦那が昔の自分みたいな女に引っかからないことを願うばかりだ。