妻も子もなく兄弟が死んだ。物事には始めがあれば,終わりも必ず来る。俺は相続人ではないとぼやきつつ,残された身内が後片付けするのも,順送りみたいなもので仕方ない。
この御時世,彼もいろんな契約を結んでいた。典型なのは,携帯電話だ。
この類いの契約,多くは「縛り」があり,中途解約には「違約金」が約款で約定されているものが大半である。一定の契約期間を定めて,中途解約にある程度の制約をかけることで,契約者数を確保しつつ,料金を割り引く販売施策があるのは,まあ,大人の事情のようなものもあるか。
彼の契約を整理するに当たっても,あちこちで「縛り」に起因する解約違約金の話が出てきた。だが,実際には,ほとんどの会社が「ユーザー死亡による中途解約ならば,仕方ない。」と言って,違約金請求にまでは至らなかった。が,1社だけ,NURO光だけは,頑として違約金支払を要求してきた。
今回の契約解除は確かに契約期間中の解約ではあるが,その原因は契約者本人の死亡によるものだ。当然のことながら,人間は契約のために生きているのではないし,ある者の死亡について当該死者の帰責性を問いうるはずもない。
契約条項をタテに義務の履行を求める事業者の立場も分かるが,遺族の感情としては釈然としない。というか,人が死ぬときにも違約金の話が出てくるとは,全く思わなかった。「自分が死んだら,違約金は生じるか?」と,これからは自分の契約をするときに,必ず聞いておくことにする。諸兄にも,おすすめしたい。立つ鳥跡を濁さず…か。
払わなきゃいいのに
コメント感謝。 法定相続人は半ボケ,兄弟の俺は法定相続人でもないから厳密には当事者でない,とはいえ,…NURO光,弁護士に債権回収委託したようで,弁護士から督促きた...