優次は手記に繰り返しこう書いていたという。
父と母から同じ遺伝子を引き継いでいる、という意味では「生物学的なコピー」と言えるだろう。
しかし、同じ遺伝子を持って生まれても、生まれた後の経過が違えば、当然違う人間になる。
遺伝子がソックリの双子の兄弟でも全く同じコピーにはならない。
従って、自分の意思では選べない先天的な要素だけをもってして、犯人とその家族は同じであると断定するのは、科学的に見れば誤謬である。
後天的な要素である個人の経験や育った環境によって同じ人間にはならないことを考慮するなら、やはり犯人とその家族は別物と判断するのが正解だ。
兄と弟は別の人格を持った個人であることを主張すべきだったのではないか。
残念だが、弟さんの選んだ自殺という道は間違いだったと言わざるを得ない。
母が毒だったというのは兄弟で同意だったんだろう