30後半額面600万のサラリーマン
それで狭い5畳半アパートの一人暮らしだったが、ある程度の金が溜まったので、住処ぐらいはある程度のものにしても罰は当たるまいと思って一戸建てを買った。
広さは段違い、リビングは快適、最新の設備は文句なく、各部屋も完全に自分の趣味の壁紙にした。
住み始めて、するとどうだろう。以前はまるで感じなかった人寂しさを僅かながら感じることに気が付き、違和感を覚える。
この家にもう一人くらい住まわせてもいいか、ぐらい思う。
結局のところ、自分の願望が住居に最適化してあっただけで、どうやら自分は所与の箱の範囲内で最適化をはかり、それで満足してしまうらしい。
そういえば仕事がそうで、私生活も結局同じであったという話である。
よく結婚してから家を買うとか言うけど、単にそれが現在の多数派なだけで、自分のようにある程度の人の居場所が確保できてから願望(らしきもの)が生じる人間もいるのだ。
とりあえずホームパーティでも不定期で開いてみるといいよ それで本当に必要なものが何なのかわかるかもしれない