でも大きくなるにつれ、他の子は、怒られるとき包丁向けられた事ないんだ。お風呂に沈められたことないんだ。プラスチックハンガーで殴られて、あんたのせいで、ハンガー壊れちゃったって、ハンガーを心配されたこと、ないんだ。この世で一番嫌いって言われたことないんだ。
そう思うと、やっぱり相性が悪いなぁと落ち込む。
というか、面と向かって言われた。
アンタと私は相性が悪いからね。って。
子供の自分を振り返っても、まぁ怒られるのが嫌で噓ついたり、怠惰だったり、人の話が聞けなかったり、問題だらけだ。小学校の担任に、ズルイ子ですね、って言われたと怒られたこともあるし、相当なんだろう。
愛情はあると思う。
飢えたことはないし、学校も行かせて貰って、結婚した今も二月に一度、実家には顔を見せに帰る。寂しいって言うから。
ただ時折、水に沈めたくせに。お洒落を馬鹿にして、私の好きなものを貶めて、それを覚えていないことにするくせに。
そう考え込んでしまう時間なんて無駄なのに、逃げられない。過ぎたことなのに辛い。
母も、祖母との間には色々とあったらしい。つい先月、二人とも泣きながら和解する場面に同席した。
私も早く、許して貰うために立派にならねばならない。いつになるかわからない。
いい大人なのにな。