久しぶりに残業もなく7時前に家についた。
最近ハマっている「素股」系の動画をあさり、素股が失敗する時までじっくり待つことにした。
テンションの高い男女が、和気藹々と素股を始める様子は、演技と分かっていても俺の心を躍らせる。
振り返ってみると、俺はそのあたりから妄想の世界にトリップしていたと思う。
あの時、彼女に声を掛けていれば。
あの時、勇気を出していれば。
まぁ、素股ができるなんて微塵も思っちゃいない。
一人は寂しい。
「え、入ってる?!ちょっとぉ、やめ。だからっ、入ってるって……」
一番好きな場面を見逃した格好となったので、シークバーを僅かに戻す。
画面いっぱいのモザイクの向こう側。
あぁ、今、入ったな。
挿入確認。