素晴らしく発展した文明がある。
そう聞いて、この星に船を降ろした私が見たやけに清潔な街は、しかし全くの無人だった。
無人のカフェ、無人のエステサロン、無人の美容室などを見て回っていると、ふいに後ろから声をかけられた。振り向くと、そこには老いた老人がいた。男性である。
なぜ、この星には人がいないのですか?
老人曰く、
「事の始まりはこうだ。男は野蛮だ。凶悪犯罪もほとんど男が起こす。死刑囚の99パーセントは男だ。だから女だけの街を作る。そういって女だけの街ができた。女だけの街は、最高のアイデアだった。そこには痴漢もいないし、清潔で、美しく、化粧品も安く豊富にあったし、ホモ漫画やホモドラマがたくさん観れた。そういうわけで世界中から女が集まった。どういうわけか生まれてくる子供も、みな産み分けゼリーによって女の子だけに選別された。住むところが狭くなったので、男たちから土地を略奪し始めた。彼女たちはみな男よりも広い部屋が必要だったからな」
疑問に思った。男は反撃しなかったのか?
「もちろん、そういう男がいなかったわけではない。しかし、男は女には弱いものだからな。そういうわけで、ごく一部の奴隷男を残して、男は滅んだ。女の勝利だった。」