式場で打ち合わせと試着。
彼が「素敵です。とても似合っています」と言ってくれたドレスは、
私も気に入っていたのだけど、
これを選んだら、彼の言うままに決めたみたいに思われそうで、
別のドレスにした。
夕食に連れていかれたのは、
よほど気に入っているんだろうな。
お店を出てすぐに、手を繋がれた。
「次」を誘われていることは、
分かりすぎるほどに分かるのだけれど、
昔ならこんなときの彼の手は
もっと震えていたよな、と思った瞬間、
という言葉が出ていた。
彼は一瞬、意外そうな表情を浮かべたけれど、すぐに
「大丈夫ですか? 送っていきましょうか?」と言ってくれた。
その厚意をやんわり断り、JRの改札を抜けていった。
「おじさん」がやって来た。
「おじさん」には奥さんと娘がいる。
3年ほど「おじさん」と付き合っているのだけど、
体の関係のある「おじさん」。
でもきっと、結婚後の彼も、「おじさん」と同じぐらい
「もうすぐ結婚なのに、いいの?」
「駄目」と言いたくなるし、
ずるい人だと分かっているのだけど、
そんなずるいところが私は好きなんだろう。
「いいの」と甘えてしまう私は、
少しよくないと思う。
「おじさん」は16時過ぎに帰っていた。
「体調大丈夫ですか?」
「課長に依頼していたスピーチ、OKをもらいました。家族会議で決めたらしいですよ」
「今まで寝てたら治った。大丈夫!」
「笑」
「飲み過ぎちゃ駄目だよ」
と返信した。
1時過ぎに寝た。